サロンの店販を始めるときの管理|在庫・レジ・すすめ方の決め方

サロンの店販を始めるときの管理|在庫・レジ・すすめ方の決め方

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施術で使っているシャンプーやケア用品を、店頭でも売りたい。そう考えたときに悩ましいのは、売り方そのものより「売ったあと」の管理です。何が何個あるのか、誰が発注するのか、レジでどう打つのか。ここを決めずに商品だけ並べると、一年後に売れ残りと合わない在庫だけが残ります。

この記事では、サロンで店販(店頭での物販)を始めるときに先に決めておくことを、管理の側から順に整理します。予約や会計そのものの組み方はサロン・美容室のツール構成でまとめているので、そちらと合わせて読んでください。

目次

店販は「売る仕事」ではなく「数を合わせ続ける仕事」

店販がうまくいかない店の多くは、商品の選定で失敗しているわけではありません。売れているのに利益が読めない、在庫が合わない、気づいたら使用期限が近い。つまり、続けるための管理が決まっていないまま始まっています。

在庫が合わなくなる典型的な原因

数が合わなくなる原因は、たいてい「数を書き込む場所が複数あること」です。レジの記録、手書きのノート、スタッフの記憶、施術で使った分の持ち出し。この四つが並行して動くと、どれが正しい数なのか誰も言えなくなります。

先に決めるべきは、正しい数が載っている場所をひとつに決めることです。同じ考え方は小売・ネットショップのツール構成でも扱っています。店販の規模が小さいうちは紙でも構いませんが、「正はここ」という置き場所を一か所にするところは変えません。

最初は品目をしぼる

取扱い品目を増やすほど、棚卸しの手間と売れ残りの確率は上がります。最初は施術で実際に使っているもの、お客さまから聞かれることが多いものに限って、指で数えられる程度の品目から始めるのが扱いやすい形です。

品目が少ないと、スタッフが商品の中身を覚えられるという利点もあります。説明できない商品は結局すすめられず、棚に残ります。

発注する人を先に決める

「なくなりそうだから誰かが頼む」という運用は、二重発注か欠品のどちらかを生みます。発注はひとりに固定し、発注のタイミング(残りいくつになったら頼むか)も商品ごとに決めておきます。担当が休みのときの代役まで決めておくと、止まりません。

ここだけは見る

店販を始める前に決めるのは、①取扱い品目 ②在庫の数を書く場所(ひとつだけ) ③発注の担当と補充の目安、の三つです。商品の仕入れ先を探すのは、そのあとで間に合います。

何を置くか|施術と地続きの商品にする

施術で使っているものが第一候補

店頭で売れやすいのは、その日の施術で実際に使い、効果や使い心地をお客さまが体験したものです。仕上げに使った一本を「これです」と手渡せる状態は、説明の手間がほとんどかかりません。逆に、施術と関係のない雑貨は、置いてあるだけの棚になりやすい傾向があります。

売れ残ったときの出口を先に考える

仕入れ条件を確認するときは、価格だけでなく「返品できるか」「最低発注数はいくつか」「使用期限はどれくらいか」を必ず聞きます。返品不可・最低発注数が多い・期限が短い、この三つが重なる商品は、小さな店ほど負担が大きくなります。

売れ残りの出口としては、施術で使い切る、サンプルとして配る、セット販売に回すといった方法が考えられます。出口がひとつも思い浮かばない商品は、最初の仕入れ数を抑えておきます。

仕入れの条件は総額で見る

商品代金だけでなく、送料、最低発注金額、支払いのサイト(いつ払うか)まで含めて比べます。ツールの費用を年額で比べるのと同じ考え方で、料金は月額ではなく年間の総額で判断すると、条件の見え方が変わります。

契約前に確認

化粧品・医薬部外品・健康食品などは、表示や広告の内容に法令上のきまりがあります。効果を断定するような説明や掲示ができるかどうかは、仕入れ先や所管の窓口に確認してください。この記事では管理の進め方だけを扱います。

レジと在庫をどこで管理するか

紙・表計算・レジの分かれ目

品目が少なく、売れる数も月に数えるほどなら、紙の台帳でも回ります。分かれ目になるのは、スタッフが複数いて誰でも販売する場合と、品目が増えて棚卸しに時間がかかるようになった場合です。そのときは、売った瞬間に在庫が減る仕組み(POSレジなど)を検討する段階に入ります。

レジそのものの選び方はキャッシュレス決済とレジの選び方で扱っています。手数料や入金の周期は、店販を足しても考え方は変わりません。

施術メニューと商品を同じ会計で打つ

施術はレジ、商品は手書きの伝票、と分けると、その日の売上を合わせる作業が二度になります。同じ会計のなかで施術と商品を一緒に打てるかは、レジを選ぶときに確認したい点です。あわせて、施術と商品の売上を分けて集計できるかも見ておきます。分けられないと、店販が採算に合っているのか判断できません。

棚卸しの回数と、合わないときの扱い

棚卸しは「気づいたときに」ではなく、月末など日を決めて行います。数が合わないときに犯人探しをすると、報告が上がらなくなります。差が出たら記録して原因の見当だけ立て、記録上の数を実際の数に合わせるところまでを手順として決めておきます。

施術で使う分を店販の在庫から持ち出すときは、持ち出した記録を必ず残します。ここが抜けると、売れていないのに在庫だけ減る状態になります。

すすめ方は、個人の裁量ではなく店の型にする

押し売りにしないための線引き

店販が嫌われる理由は、商品そのものではなく、断りにくい状況で持ちかけられることにあります。声をかけるのは施術中の説明の流れのなかまで、会計時には自分から持ちかけない、といった線引きを決めておくと、スタッフも迷いません。

「一度断られた方には、次回からこちらから声をかけない」というルールも有効です。断った記録が残っていれば、同じ話を繰り返さずに済みます。

すすめた・買ったをカルテに残す

いつ何を買ったかがカルテに残っていれば、次回に「そろそろ無くなるころですね」と自然に話せます。これは売り込みではなく、使い切るタイミングの確認です。記録の持ち方は顧客管理(カルテ・台帳)の選び方を参照してください。

スタッフ間で言い方をそろえる

同じ商品でも、人によって説明が違うと店としての信用が下がります。商品ごとに「どんな方に向くか」「どう使うか」「どれくらいで使い切るか」の三点を短くまとめ、共有しておきます。言えることの範囲をそろえておくと、表示や広告のきまりから外れる説明も起きにくくなります。

店頭以外でも売るかを決める

取り置き・お取り寄せのルール

「次回来店時に渡す」約束は、在庫を動かないものに変えます。取り置きは期限を決める、代金を先にもらうかを決める、この二つだけでも運用が安定します。連絡の手段としては、来店周期に合わせて案内できるLINE公式アカウントが使われることが多い形です。

ネットショップに広げるときの前提

店頭とネットで同じ商品を売るなら、在庫をどちらの数字で管理するかを先に決めます。両方で別々に数えると、必ず食い違います。開設そのものの選択肢はホームページとネットショップの選択肢と費用にまとめました。

また、仕入れ商品をネットで売ってよいかは、仕入れ先との取り決めによります。店頭のみ可という条件が付いていることもあるため、始める前に確認します。

送料と梱包の手間を見積もる

ネット販売で見落としやすいのは、梱包材と発送作業にかかる時間です。誰が、いつ、どこで詰めるのかが決まっていないと、営業時間後の作業が増えていきます。液体を含む商品は梱包の条件も変わるため、送る側の手間を先に一度試してから判断してください。

組み合わせて使う
売る

店頭のレジ

数える

在庫の台帳

売った瞬間に数が減る形にしておくと、棚卸しは確認作業だけで済みます。売る場所と数える場所が別々だと、月末の作業がそのぶん増えます。

数字の見方と、やめる判断

見るのは売上額より「動いた数」

店販の調子は、売上金額よりも「その月に何個動いたか」で見るほうが早く分かります。金額は単価の高い商品が一つ売れただけで動きますが、動いた数は棚の回転そのものを表します。品目ごとに、月に何個動いたかを並べるだけで十分です。

仕入れ代金と手元の在庫は別の話

仕入れの支払いは先に発生し、回収は売れたときです。棚に積まれた商品は、売れるまでは支払い済みの在庫であって、手元の現金ではありません。この差が読みにくいときは、会計ソフトで店販の仕入れと売上を分けて集計し、毎月の数字として見える形にしておくと判断しやすくなります。

続けるか、やめるかの目安を先に決める

始めるときに「何か月試して、どうなっていたら見直すか」を決めておきます。決めずに始めると、動かない商品を置き続ける理由が「もう仕入れたから」になってしまいます。

やめる判断は、店販全体ではなく品目ごとに行います。動く商品と動かない商品が混ざっているだけのことが多く、棚を整理すれば残る場合があります。催事などの臨時の販売機会で反応を見てから判断する方法もあります。

始めるときの順番

一か月目にやること

  • 取扱い品目を決める(施術で使っているものから少数)
  • 在庫の数を書く場所をひとつに決める
  • 発注の担当と、補充の目安の数を決める
  • レジで施術と商品を分けて集計できるか確認する

二か月目以降にやること

  • 月末の棚卸しを日にちで固定する
  • すすめ方の線引きと、商品説明の三点をスタッフで共有する
  • 品目ごとに、その月に動いた数を並べて見る
  • 取り置きの期限と、代金の受け取り方を決める

広げるかどうかを考える段階

動く品目がはっきりしてから、ネット販売や取り扱いの追加を考えます。順番を逆にすると、管理の手間だけが先に増えます。サロン全体のツールの組み方はサロン・美容室の記事一覧にまとめています。

よくある質問(FAQ)

  • 店販は、スタッフがいない一人の店でもやる意味がありますか。

    品目をしぼれば、一人でも管理できます。むしろ数を書く場所が一つになりやすく、在庫は合いやすくなります。ただし発注と棚卸しの時間は自分の作業時間から出ていくため、月に何分かかるかを一度測ってから広げるかを決めてください。

  • 在庫の管理は、表計算ソフトでも足りますか。

    品目が少なく、販売がレジと同じ人の手で行われるなら足ります。分かれ目は、複数のスタッフが同時に販売する状況になったときです。入力の抜けが起きやすくなるため、売った時点で数が減る仕組みに切り替える検討に入ります。

  • 売れ残りが出たら、どう処理すればよいですか。

    施術で使い切る、サンプルとして配る、といった出口を仕入れの前に決めておくのが基本です。値引きして売る場合は、通常価格で買った方への説明が難しくならない範囲にとどめます。会計上の扱いは税理士や所管の窓口へ確認してください。

  • 商品の効果を、店内の掲示でどこまで書けますか。

    化粧品や健康食品などは表示・広告のきまりがあり、書ける範囲は商品の区分によって変わります。掲示の文面は仕入れ先に確認し、判断が難しいものは所管の窓口へ相談してください。

  • ネットショップと店頭の在庫は、どう分ければよいですか。

    分けずに、どちらか一方の数字を正として扱うのが原則です。分けて持つと必ず食い違います。数が少ないうちは、ネットの在庫数を実際より少なめに設定して運用する方法もあります。

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