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月末になると、スタッフごとの売上を伝票から拾い直している。指名の数を数え間違えて、あとから歩合を直した。スタッフを雇うサロンでは、こうした集計の手間と行き違いがよく起きます。
この記事では、スタッフ別の売上を日々の会計の中で正しく記録し、月末の給与計算へそのまま渡せる形に整える方法をまとめます。歩合の率を決める話ではなく、集計の仕組みをつくる話です。
スタッフ別売上は、何を数えるかを先に決める
「スタッフの売上」と一言でいっても、数え方は店によって違います。施術の売上だけを数える店もあれば、店販や指名料を含める店もあります。ここを決めないままレジを設定すると、あとで集計をやり直すことになります。
施術・店販・指名を、別々の数字として持つ
最初は、施術の売上、店販の売上、指名の件数を別々に記録しておくのがおすすめです。分けて記録してあれば、あとから合算するのは簡単です。一方で、合算した数字をあとから分けることはできません。
歩合の対象を施術だけにするのか、店販も含めるのかは、あとで変わることがあります。記録を細かく持っておけば、ルールを変えても過去の数字で比べられます。
割引や回数券を使った会計の数え方を決める
クーポンで割り引いた会計や、前払いの回数券を使った来店を、誰のどの売上として数えるかも決めておきます。割引前の金額で数えるのか、実際に受け取った金額で数えるのかで、スタッフの数字は変わります。
どちらが正しいということはありません。大事なのは、全員に同じルールを当てはめ、それを文章で残しておくことです。
数え方のルールは、スタッフにも見える場所に置く
自分の売上がどう数えられているか分からないと、スタッフは月末の数字に不安を持ちます。数え方を一枚にまとめて、いつでも見られる場所に置いておくと、確認の問い合わせが減ります。
新しく入ったスタッフには、入社のときにこの一枚を渡して説明します。あとからルールを変えたときは、いつから変わったのかを書き添えて、古い版も残しておきます。
会計のときに、担当者をレジへ記録する
スタッフ別の集計が崩れる原因の多くは、会計の時点で担当者が記録されていないことです。月末に伝票やメモから拾い直す運用は、忙しい月ほど漏れが増えます。会計のその場で記録する形にしておきます。
レジや予約の画面で、担当者を選べるか確認する
サロン向けのレジや予約システムには、会計のときに担当スタッフを選ぶ機能を持つものがあります。まず、いま使っている仕組みで担当者を記録できるか、品目ごとに担当を分けられるかを確認します。
担当者を会計単位でしか持てない仕組みだと、施術はAさん、店販はBさんという記録ができません。レジの選び方全般はキャッシュレス決済とレジの選び方で整理しています。
予約の担当者と、実際の担当者がずれたとき
予約ではAさんだったのに、当日の都合でBさんが施術することがあります。予約の情報をそのまま売上の担当者にしている場合、ここで数字がずれます。会計のときに担当者を確認し、必要なら直す手順を決めておきます。
指名の有無も同じです。予約時の指名と、来店してからの指名をどう扱うかを決めておくと、月末の問い合わせが減ります。
記録の修正は、誰がいつ直したかが残る形にする
担当者の記録を直せる人は、店長など決まった人に絞ります。誰でも直せる状態だと、数字への信頼が落ちます。修正の履歴が残る仕組みかどうかも、レジを選ぶときの確認点になります。
修正の理由も一言残しておくと、月末にスタッフから質問されたときに説明しやすくなります。「当日に担当が交代した」「指名の登録漏れ」など、よくある理由は選択肢にしておくと入力が楽です。
一人のお客さまを複数人で担当したとき
サロンでは、カットはスタイリスト、シャンプーやカラーの塗布はアシスタント、という分担がよくあります。この場合の売上の分け方を決めておかないと、集計のたびに相談が発生します。
メニューごとに、主担当を一人決める
いちばん単純なのは、メニューごとに主担当を一人決め、その人の売上として数える方法です。アシスタントの関わりは、売上ではなく件数や時間として別に記録します。仕組みが単純なので、レジの設定も集計も楽になります。
売上を割り振る場合は、割合を先に決めておく
複数人で売上を分け合う場合は、どのメニューをどの割合で分けるかを先に表にしておきます。その場の相談で決めると、同じメニューでも日によって分け方が変わってしまいます。
レジによっては、一つの品目を複数の担当者に割り振れないものがあります。その場合は、割り振りを月末に表計算で行うことになるため、手作業の量を見込んでおきます。
アシスタントの成長を、数字で追えるようにする
アシスタントが担当した件数や、デビュー後の指名の数を記録しておくと、育成の面談で使えます。歩合の計算だけでなく、本人の成長を見える形にする目的でも、担当の記録は役に立ちます。
ただし、数字の見せ方を誤ると、スタッフ同士の競争が行き過ぎることもあります。全員の順位を貼り出すのか、本人にだけ見せるのかは、店の雰囲気に合わせて決めてください。
ここだけは見る
担当者は会計のその場で記録し、月末に拾い直さない。複数人で担当したときの分け方と、割引・回数券の数え方は、表にして全員に見える場所に置く。
月末の締めから、給与計算へ渡すまで
日々の記録がそろっていれば、月末の作業は確認と出力が中心になります。締めの手順を決めておくと、店長が不在の月でも同じ形で集計できます。
締め日を決め、締めたあとは記録を動かさない
給与の締め日と、売上集計の締め日をそろえておきます。締めたあとに会計の取り消しや担当者の修正が入ると、給与の数字と合わなくなります。締め後の修正は翌月分で調整する、といったルールを決めておくと混乱しません。
スタッフ本人に、自分の数字を確認してもらう
集計が出たら、給与計算に回す前に、スタッフ本人にも自分の売上と指名の件数を見てもらいます。本人しか気づかない担当者の記録漏れが、ここで見つかることがあります。確認の期限を決めておくと、締めが遅れません。
見せる形は、紙でもデータでも構いません。スタッフ別の画面を持つ仕組みなら、本人が自分の数字だけを見られるように設定しておくと、店長が一人ずつ説明する手間が省けます。
勤怠の記録と、同じ期間でそろえて渡す
給与計算には、売上の集計と勤怠の記録の両方が必要です。二つの期間がずれていると、計算する人が確認に時間を取られます。勤怠の仕組みについては勤怠・給与ツールの選び方を参考にしてください。
集計の仕組みは、店の規模に合わせて選ぶ
スタッフ別の集計は、表計算でも、レジの機能でも、給与計算の仕組みと連携させても行えます。どれが合うかは、スタッフの人数と、歩合のルールの複雑さで決まります。
スタッフが少ないうちは、レジの出力と表計算でよい
スタッフが数人で、ルールが単純なら、レジからスタッフ別の売上を出力し、表計算で歩合を計算する形で十分回ります。大切なのは、計算式を一つの表に固定し、毎月同じ表を使うことです。
表計算で回す場合は、計算式を触れる人を決め、毎月の表は前月の表をコピーして使います。式を毎月書き直していると、どこかで一か所だけ違う計算になっていても気づけません。
レジと給与計算がつながると、転記がなくなる
スタッフが増えると、レジの数字を給与計算へ手で写す作業が負担になります。レジと勤怠、給与計算がデータでつながる組み合わせなら、転記の手間と写し間違いが減ります。連携できる範囲は、導入前に必ず確認します。
たとえば、スタッフ別の売上がどの単位で渡るのか、指名の件数まで渡るのか、割引の扱いが自分の店のルールと合うのか、といった点です。無料の試用期間があれば、実際の一か月分の会計で試してから決めると安心です。
給与計算を外に頼むなら、渡す形を先に聞く
給与計算を外部に依頼している、または依頼を考えている場合は、売上の集計をどの形式で渡せばよいかを先に聞いておきます。外注を考えるときの判断は給与計算を外注するかで整理しています。
歩合のルールを決めるときに、確認しておくこと
集計の仕組みが整っても、歩合のルールそのものに問題があると、あとで大きなトラブルになります。ここは店だけで決め切らず、専門家に確認しながら進める部分です。
雇用か業務委託かで、扱いが変わる
サロンでは、雇用しているスタッフと、業務委託で働く人が混在することがあります。どちらの契約かによって、歩合の扱いや必要な手続きが変わります。個別の判断は、社会保険労務士や所管の労働基準監督署に相談してください。
歩合給でも、労働時間に関わるルールがある
雇用しているスタッフの場合、給与を歩合で決める部分があっても、労働時間に関わるルールや最低賃金などの決まりは関係します。仕組みを決めたり変えたりするときは、就業規則や雇用契約書との整合も含めて、専門家に確認しておくと安心です。
売上データの見られる範囲を決めておく
スタッフ別の売上は、給与に直結する情報です。誰がどこまで見られるかを決め、アカウントの権限で分けておきます。権限の考え方は顧客データの守り方も参考になります。顧客の情報と売上をまとめて持つ場合は顧客管理の選び方もあわせて確認してください。
サロン全体のツールの組み方はサロン・美容室のツール構成、店販の在庫や売り方はサロンの店販を始めるときの管理で解説しています。ほかのサロン向けの記事はサロン・美容室の記事一覧からどうぞ。
よくある質問(FAQ)
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スタッフ別の売上は、月末にまとめて集計しても問題ありませんか。
できなくはありませんが、担当者の記録漏れが増えやすくなります。会計のその場で担当者をレジに記録し、月末は確認と出力だけにする形のほうが、数字のずれを防げます。
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店販の売上も歩合の対象に含めるべきですか。
店の方針によって違います。まずは施術と店販を分けて記録しておけば、含める場合も含めない場合も計算できます。ルールを変えたときに過去の数字と比べられる点でも、分けて持つのがおすすめです。
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アシスタントが関わった施術の売上は、どう分ければよいですか。
メニューごとに主担当を一人決め、その人の売上として数える方法がいちばん単純です。売上を分け合う場合は、メニューごとの割合を事前に表にして、全員に同じルールを当てはめてください。
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締めたあとに会計の修正が入ったときは、どうすればよいですか。
締めた月の数字は動かさず、翌月分で調整するなど、扱いを事前に決めておくと混乱しません。修正の記録が残る仕組みにしておくと、あとで経緯を確かめられます。
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歩合のルールを変えたいときは、何に気をつければよいですか。
雇用契約書や就業規則との関係、労働時間に関わるルールなど、確認すべき点があります。変更の前に、社会保険労務士や所管の労働基準監督署に相談してください。

