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施術中で手が離せないときに、電話が鳴る。出られないまま作業を終え、閉店後に留守番電話を聞いて折り返す。予約をノートで受けている店では、この往復が毎日積み上がります。
この記事では、小さな店が予約システムを比べるときに見る7つの項目を並べます。特定のサービス名や金額は出しません。ツール選び全体の考え方は最初に決める5つのことにまとめています。
予約システムで実際に減る手間、減らない手間
電話対応と予約の書き間違いは減る
確実に減るのは、電話に出る回数と、予約を書き写す手間です。お客さまが自分で日時とメニューを選ぶため、聞き間違いが起きません。営業時間外にも予約が入るようになります。
一方で、メニューの登録、所要時間の設定、休みの反映は人の作業として残ります。導入した直後は、この設定作業のぶんだけ一時的に忙しくなります。
当日キャンセルと無断キャンセルは、仕組みで減らす
システムを入れただけでは、当日キャンセルは減りません。前日のリマインド、予約時の注意事項の表示、事前決済といった仕組みを組み合わせて減らします。
ネット予約は電話より気軽に取れるぶん、気軽に来られなくなることもあります。受け口を広げるなら、思い出してもらう連絡もセットで考えます。
キャンセル料の扱いは慎重に
機能として設定できることと、実際に請求できるかは別の話です。規定の作り方や無断キャンセルへの対応は、専門家に確認してください。ここでは、規約を先に決めて予約画面に表示しておく、という運用の話にとどめます。
予約が増える保証はない(集客とは別の話)
予約システムは、予約を受ける道具であって、お客さまを連れてくる道具ではありません。予約ページを作っても、見る人がいなければ予約は入りません。
地図アプリの店舗情報、SNSのプロフィール、名刺やレシート。既存のお客さまが目にする場所に予約リンクを置くところから始めます。予約導線の考え方も参考になります。
比べる項目①〜③:予約の受け方まわり
最初の3つは、予約をどう受けるかという、毎日の営業に直結する部分です。
24時間受付・当日予約・指名の指定ができるか
まず、いつまでの予約を受けるかを決めます。当日予約を受けるなら、開始の何時間前まで受け付けるかを指定できるかを見ます。材料の仕入れや器具の準備がある業種では、前日までしか受けない設定が要ります。
- 受け付けの締め切り(当日の何時間前まで/前日まで)を設定できるか
- 何か月先まで予約を取れるかを、自分で決められるか
- スタッフの指名を、お客さまが予約画面で選べるか
- 指名なしの予約を、あとから担当者に割り当て直せるか
- 臨時休業や早じまいを、スマホからその場で反映できるか
スタッフごとの枠と、設備(席・ベッド)の枠を分けられるか
予約枠には、人に紐づく枠と、設備に紐づく枠があります。施術者が2人でベッドも2台なら、人の空きとベッドの空きが両方そろって初めて予約を受けられます。
人の枠しか持てないサービスを使うと、ベッドが足りない時間帯にも予約が入ります。飲食なら席、教室なら部屋が設備の枠にあたります。
予約の重複を防ぐ仕組み(同時アクセス時の挙動)
同じ枠に二人が同時に申し込んだときの挙動も確認します。人気の時間帯や、キャンセルが出た直後には実際に起こります。
仮予約として受け、店が承認して確定する方式では、承認するまで枠が埋まらないこともあります。電話で受けた予約を管理画面に入れたとき、ネット予約の枠がふさがるかも見ておきます。
ここだけは見る
お試し期間中に、自分のスマホとパソコンから同じ枠へ同時に予約を入れてみてください。両方とも通ってしまうなら、その設定のままでは使えません。承認制と自動確定のどちらで運用するかも、ここで決めます。
比べる項目④〜⑤:連絡とキャンセル対策
ここは追加の費用が発生しやすい部分です。機能の有無だけでなく、費用のかかり方まで見ます。
リマインドの送り方(メール/LINE/SMS)と追加費用
前日や当日朝のリマインドは、当日キャンセルを減らすうえでいちばん効く手段です。送り方にはメール、LINE、SMSがあり、届きやすさと費用が違います。
- メール:基本機能に含まれることが多いが、迷惑メールに入って読まれないことがある
- LINE:開封されやすいが、公式アカウントとの連携や拡張サービスの契約が要る場合がある
- SMS:電話番号だけで届き到達率は高いが、送信ごとに費用がかかる形が一般的
費用の型はサービスで違います。月額に一定の通数が含まれる形、送信ごとに加算される形、上位プランでのみ使える形があります。LINEで送るなら、予約システム側とLINE公式アカウント側の両方に費用がかかる点にも注意してください。
ネット予約システム
LINE公式アカウント
予約の受付はシステムに任せ、前日のリマインドや変更の連絡はLINEで行う形です。連携の可否と、両方にかかる費用を先に確認してください。
事前決済・キャンセル料の設定ができるか
事前決済は、予約の時点で支払っていただく仕組みです。無断キャンセルの抑止になり、当日の会計も短くなります。ただし月額とは別に、決済手数料が発生します。
- 事前決済に対応しているか、対応する決済手段は何か
- 決済手数料が、予約システムの費用と別にかかるか
- 入金されるタイミングと、入金までの手続き
- キャンセル時の返金を、管理画面から自分で操作できるか
- 事前決済を、一部のメニューだけに設定できるか
すべてを事前決済にすると、常連のお客さまには煩わしく感じられることがあります。初回や長時間のメニューだけに限定できるかも見ておきます。
比べる項目⑥〜⑦:お金とデータ
最後の2つは、契約する前に必ず確認しておきたい部分です。
月額・初期費用・オプションを足した総額で並べる
予約システムの費用は、月額だけでは比べられません。実際に払う額は、いくつかの費用を足し合わせた形になります。
- 初期費用(初期設定の代行を頼むなら、その費用も)
- 基本の月額(プランによって使える機能が変わる)
- スタッフの人数で増える分
- リマインドの送信費用(含まれる通数を超えた分)
- 事前決済を使う場合の決済手数料
- 予約1件ごとにかかる手数料(この形をとるサービスもある)
とくに注意したいのは、予約1件ごとの手数料です。予約が増えるほど費用も増えるため、月額だけで比べると負担が逆転することがあります。月額に含まれる形か、1件ごとにかかる形かを必ず確認してください。
比べるときは、自分の店の予約件数を当てはめて年間の総額を出します。手順は年間の総額で比べる方法にまとめました。「無料」と書かれていても、どこかに上限があるのが普通です。
予約履歴と顧客情報を書き出せるか
予約システムには、お客さまの名前、連絡先、来店の履歴が溜まります。乗り換えるときやサービスが終了するときに、これを持ち出せるかを先に確認します。
見るのは、CSVなどの形式で書き出せるかどうかです。画面に表示できることと、ファイルとして取り出せることは別です。
契約前に確認
解約したあと、データがいつまで残り、いつ消えるかも見ておきます。解約と同時に管理画面へ入れなくなり、書き出す機会を失うことがあります。最低利用期間と申し出の時期は契約・解約・移行のカテゴリーにまとめています。
業種で変わる、外せない条件
7項目のうち、どれを重く見るかは業種で変わります。
サロン・治療院:指名、施術メニュー、回数券
メニューごとに所要時間が違うため、メニューを選ぶと枠の長さが変わる設定が要ります。片付けや準備の時間を、施術の前後に足せるかも確認します。
スタッフがいる店では、指名の扱いが重要です。回数券や定額のメニューがあるなら、残回数をどこで管理するかも決めます。組み方はサロン・美容室のツール構成と治療院・整体のカテゴリーで整理しています。
飲食:席数と時間帯、コース予約
飲食店では、人ではなく席が予約枠の中心になります。人数に応じて席を自動で割り当てられるかが、分かれ目です。
滞在時間の設定も要ります。ランチとディナーで回転の考え方が違うため、時間帯ごとに変えられると運用しやすくなります。
教室・スクール:定員と繰り返し予約
教室では一つの枠に複数人が入るため、定員と残席の表示が前提になります。定員に達したとき、キャンセル待ちを受けられるかも見ます。
もう一つが繰り返しの予約です。毎週同じ曜日の同じ時間、という予約を、その都度入力せずに済むかを確認します。
予約システムが向かない事業もある
予約が週数件なら、カレンダー共有で足りる場合
予約が週に数件で、受ける人が自分ひとりなら、無料のカレンダーアプリを共有するだけで足りることがあります。これで困っていないなら、まだ急ぐ必要はありません。
検討する目安は、予約の連絡が業務の中断として気になり始めたときです。施術中に電話が鳴って手が止まる状態が続くなら、入れる価値があります。
完全紹介制・会員制で、予約枠を公開したくない場合
紹介制や会員制の店では、空き枠を誰でも見られる状態にしたくない場合があります。空いている時間が外から見えること自体が、店の見え方に影響するためです。
この場合は、予約ページにパスワードをかけられるか、招待した人だけが予約できるかを確認します。対応していないサービスも多く、候補は絞られます。専門用語は用語集をご覧ください。
導入の進め方(メニュー整理から公開まで)
先にメニューと所要時間を紙で整理する
いきなり管理画面を開かず、まず紙に書き出します。メニュー名、料金、所要時間、担当できるスタッフ、前後に必要な準備の時間。この5つがそろえば、設定は一気に進みます。
この作業をすると、メニューが増えすぎていることに気づく店が多くあります。営業時間・定休日・受付の締め切りも、先に決めておきます。
テスト予約を自分で入れてから公開する
設定が終わったら、必ず自分でお客さまと同じ手順で予約を入れます。スマホから予約ページを開き、確定まで進めます。ここで初めて気づく設定漏れが出てきます。
- 予約完了のメールが、お客さま側と店側の両方に届くか
- 店名や連絡先が、メールの文面に正しく入っているか
- リマインドが、決めたタイミングで届くか
- 予約した枠が、管理画面で正しくふさがっているか
確認が終わったら、テスト予約は忘れずに削除します。公開後しばらくは電話予約とネット予約が併存するので、電話で受けた予約もその場で管理画面に入れる手順を、スタッフ全員で共有しておきます。
よくある質問(FAQ)
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無料の予約システムでも大丈夫ですか?
予約が少なく、スタッフがひとりなら、無料の範囲で始めても問題ありません。ただし予約件数・スタッフ数・メール送信数のどこかに上限があるのが普通です。上限を超えた月に業務が止まらないかを確かめてから使ってください。
-
電話予約はやめたほうがよいですか?
やめる必要はありません。ネット予約を主にしつつ、電話も受ける店がほとんどです。ただし電話で受けた予約もその場で管理画面に入れる手順を決めないと、二重予約の原因になります。
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当日キャンセルが多いのですが、予約システムで減りますか?
入れただけでは減りません。前日のリマインド送信、予約時の規約表示、事前決済といった仕組みを組み合わせて、はじめて効果が出ます。使える手段はサービスで差があります。
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費用は、どう比べればよいですか?
月額だけで比べず、初期費用・スタッフ人数で増える分・リマインドの送信費用・決済手数料・予約1件ごとの手数料を足して、年間の総額で並べます。予約が増えるほど費用が増える型かどうかも確認してください。
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あとから別のサービスに乗り換えられますか?
予約履歴と顧客情報をCSVなどで書き出せるサービスなら、乗り換えは可能です。書き出しに対応しているか、解約後にデータがいつまで残るかを、契約前に確認しておいてください。

