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ネットショップを開くとき、商品の写真と値段までは決められても、送料のところで手が止まる方が多いようです。一律にするのか、地域ごとに変えるのか、無料にする条件を置くのか。決めた送料は注文のたびに効いてくるので、あとから変えるのも面倒です。
この記事では、送料の決め方そのものより、決めるために何を先に調べればよいのかを整理します。あわせて、梱包と発送の作業をどう回すか、受注から発送までをツールでどうつなぐかまでをまとめました。金額そのものは扱いませんが、どこで費用が発生するかは分けて書きます。
送料を決める前に、何を送るのかを測る
送料の設定画面を開く前に、自分の店が実際に送る荷物の形を知っておきます。配送料金は箱の大きさと重さで決まるしくみがほとんどです。そこが分からないまま設定すると、注文のたびに赤字になるか、高すぎて買われないかのどちらかになります。
商品ではなく「荷物」のサイズを測る
商品そのもののサイズではなく、梱包し終えた状態の縦・横・高さと重さを測ります。緩衝材や箱の厚みも加わります。売れ筋の商品をいくつか梱包して、メジャーとはかりで測ってみるのが確実です。
配送料金の表は、たいてい寸法の合計と重さで区切られています。あと少しで下の区分に入る商品は、箱の種類を変えるだけで送料が下がることもあります。
まとめ買いされたときの大きさを確かめる
一点だけ買われる前提で送料を決めると、二点、三点とまとめて買われたときに合わなくなります。よく一緒に買われる組み合わせを想定して、同梱した状態の箱も測っておきます。小さなものなら何点入れても区分が変わらない、という場合もあります。
別扱いにする商品を先に分ける
割れ物、要冷蔵・要冷凍、長尺物、極端に重いもの。これらは通常の送料の枠に入れず、最初から別の扱いにしておきます。同じ棚に並べると、一度の注文で温度帯の違うものが混ざり、二箱に分けて送ることになります。
契約前に確認
生鮮品や要冷蔵品を送る場合は、配送方法だけでなく、営業許可の区分や表示の要否が関わることがあります。取り扱いを増やす前に、所管の保健所や専門家にご確認ください。
送料の決め方には、いくつかの型がある
荷物の形が分かったら、送料の型を選びます。どれが正しいというものはなく、扱う商品の性格と、どこまで手間をかけられるかで決まります。
実費に近づける型
地域別、サイズ別に送料を刻んでいく型です。店の持ち出しがいちばん少なく、遠方への発送が多い店でも赤字になりにくいという良さがあります。ネットショップの多くは、地域と区分の表を取り込んで設定できるようになっています。
難点は、買う側から見ると金額が読めないことです。かごに入れてから送料が変わると、そこで離れてしまう人もいます。料金改定のたびに表を入れ替える手間もかかります。
一律にする型
全国どこでも同じ送料にする型です。表示が分かりやすく、買う側が計算しやすいのが利点です。設定も一度で済みます。近い地域の注文では店に少し残り、遠い地域の注文では持ち出しになるので、注文の地域がどこに寄っているかで損得が変わります。
無料のラインを置く型
一定額以上で送料を無料にする型です。まとめ買いを促す狙いで置かれることが多く、上の二つと組み合わせて使います。ラインを決めるときは、無料にした分をどこで吸収するのかを先に決めておきます。商品の値段に少し乗せるのか、利益を削るのかで、意味がまったく変わります。
値段に乗せる場合は、価格そのものを動かすことになります。既存の商品の値段を変えるときの段取りは価格改定の進め方にまとめています。無料のラインを下げすぎると、少額の注文が増えて発送作業ばかりが増えることもあります。
ここだけは見る
送料をいくらにするかより先に、送料を店が負担するのか買う人が負担するのかを決めます。ここが曖昧なまま無料のラインだけ置くと、注文が増えたときに利益が残らなくなります。
配送方法を選ぶ
送料の型が決まったら、どの方法で送るかを決めます。配送会社ごとにサービスがあり、料金だけでなく、届くまでの日数、追跡の有無、補償の範囲が違います。全部を使い分ける必要はなく、店の商品に合うものを二つか三つに絞ります。
追跡と補償が要るかどうかで分ける
最初の分かれ目はここです。高額な商品や、代わりのきかない商品を送るなら、追跡番号が出て、紛失や破損のときに補償のある方法を選びます。安く送れる方法のなかには、追跡も補償も付かないものがあります。
ポストに入る大きさかどうか
厚みが抑えられる商品なら、対面で渡さずポストへ投函する方法が使えます。手渡しの方法より安く、受け取る側も在宅している必要がありません。アクセサリー、小物、書類、薄手の衣類などが向いています。
この方法を使うなら、厚みの制限に収まる梱包を用意しておく必要があります。緩衝材を入れたら数ミリ超えてしまった、ということが起きやすいところです。定型の封筒や箱を決めておくと、その都度悩まずに済みます。
集荷か、持ち込みか
荷物を取りに来てもらうか、営業所やコンビニに持ち込むか。持ち込むと割引が付く場合があり、件数が少ないうちは持ち込みのほうが安く済むこともあります。ただし、店を空けられない業態では現実的ではありません。
件数が増えてきたら、集荷に切り替えるか、契約を結んで料金を見直すかを検討します。判断の材料は、月にかかる配送料の合計と、持ち込みに使っている時間の両方です。時間を金額に置き換え、年間でいくらになるかという見方で比べます。
梱包の資材と作業をそろえる
梱包は、送料と違って表に出ない費用です。箱、緩衝材、テープ、封筒。ひとつずつは小さくても、注文ごとに必ず消えていきます。作業の時間も同じです。
資材の種類を絞る
商品ごとにぴったりの箱を用意すると、種類が増えて置き場所も管理も大変になります。少し余裕を持たせて、数種類の箱でほとんどの注文をまかなえるようにします。緩衝材で隙間を埋めれば、多少の余りは問題になりません。
ただし、大きすぎる箱を使うと配送料の区分が上がります。箱を絞るときは、それぞれの箱がどの送料区分に入るかを確認してから決めます。資材の在庫を切らさない仕組みも要ります。棚卸しのやり方は棚卸しの進め方を参考にしてください。
手順を決めて、誰がやっても同じにする
商品を取る、検品する、包む、明細を入れる、封をする、送り状を貼る。この順番を紙に書いて作業台に貼っておきます。手順が決まっていると、自分以外の人に頼めるようになります。写真を撮って並べておくと、説明の手間も減ります。
特に検品は飛ばされやすい工程です。何を確認するのかを具体的に書きます。スタッフに新しい手順を覚えてもらうときの進め方はスタッフに使ってもらうにはにまとめています。
同梱物は入れすぎない
手書きのお礼状、次回使える案内、商品の説明書き。入れたくなるものは多いのですが、増えるほど作業が重くなり、厚みが増して送料の区分が変わることもあります。何のために入れるのかを確かめて、続けられる数に絞ります。
紙で渡すかわりに、発送の通知に一行添えるという方法もあります。実店舗を持っているなら、来店につながる案内を入れる意味はあります。
受注から発送までをツールでつなぐ
件数が少ないうちは、注文メールを見ながら送り状を手で書いても回ります。ですが毎日続くと、打ち間違いが起きます。住所の一文字違いで荷物が戻ってくると、往復の送料と手間が両方かかります。レジ・在庫・受注のつなぎ方そのものは小売・ネットショップのツール構成で扱っているので、ここでは発送に絞ります。
注文データから送り状を作る
ネットショップの管理画面には、注文の一覧を書き出す機能がたいてい付いています。書き出したデータを配送会社の送り状発行の仕組みに取り込めば、住所を手で打つ必要がなくなります。
ネットショップと配送会社の連携が最初から用意されている場合もあります。自分が使う予定のサービスで、どの配送会社とつながるのかは、契約する前に確認しておきたいところです。つながらない場合は、書き出しと取り込みで手をつなぐ形になります。
在庫を店舗とネットで分けるか、共通にするか
実店舗もやっている場合、在庫をどう持つかで運用が変わります。ネット用の在庫を別に取っておく方法は管理が単純ですが、店で売れ残る一方でネットは品切れ、ということが起きます。共通にすれば無駄は減りますが、レジとネットショップの在庫がその場で同期する仕組みが必要です。
どちらを選ぶかは、商品の点数と、売れる速さで決まります。同じ商品が一日に何度も動くなら、共通在庫のほうが向いています。レジ側の選び方はキャッシュレス決済とレジの選び方を参考にしてください。
発送の通知と追跡番号を届ける
発送したことを知らせるだけで、まだですかという問い合わせはかなり減ります。追跡番号を一緒に送れば、届く日を自分で確認してもらえます。多くのネットショップには、発送済みにすると自動で通知が飛ぶ仕組みがあります。
ネットショップ
配送会社の送り状発行
注文データを書き出して取り込めば、住所を手で打ち直さずに済みます。打ち間違いによる返送と、その分の送料をまとめて減らせます。
先に決めておきたい取り決め
発送のトラブルは、起きてから考えると対応がぶれます。同じ場面で人によって返事が違うと、後々やっかいなことになります。よくある場面は、注文が来る前に扱いを決めて書いておきます。
不在で戻ってきたとき
受け取りがないまま保管期限を過ぎると、荷物は店に戻ってきます。再度送るのか、代金を返すのか、再送の送料は誰が持つのか。この三つを決め、買い物ガイドに書いて注文時にも見えるようにします。
住所の記入漏れで戻ってくることもあります。注文時の入力項目に不足がないか、建物名を書く欄があるかも見ておきたいところです。注文の記録は、あとから探せる形で残しておきます。
破損・紛失の連絡が来たとき
まず、どこまでを店が受け、どこから配送会社に調べてもらうのかを整理します。補償の申し出には期限や条件があるのが普通なので、契約時に確認しておきます。写真を送ってもらう、外装も残しておいてもらう、といった依頼の仕方も決めておくと話が早く進みます。
返品・交換の送料を誰が持つか
不良品のときと、買った人の都合で返すときとで、扱いを分けるのが一般的です。どちらの場合も、返送の送料と、最初に払ってもらった送料をどうするのかまで書いておきます。書いていないと、そのつど交渉になります。
ネットでの販売には、事業者の名称や送料、返品の条件などを表示する決まりがあります。詳しくは特定商取引法の説明もご覧ください。表示の内容に迷うところがある場合は、所管の窓口や専門家にご確認ください。
ネットショップそのものの選び方は小さな店のホームページとネットショップに、小売業のツール全体は小売・ネットショップの記事一覧にまとめています。
よくある質問(FAQ)
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送料は一律と地域別のどちらがよいですか。
扱う商品と注文の広がり方で決まります。全国から少しずつ注文が入るなら地域別のほうが実態に合い、近隣が中心なら一律でも大きくずれません。開店直後は一律で始めて、実績が見えてから見直すやり方もあります。
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送料無料にしたほうが売れますか。
売れ方は商品によって違うので、無料にすれば増えるとは言えません。無料にする場合は、その分をどこで吸収するかを先に決めます。値段に乗せるのか、利益を削るのかで意味が変わります。
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梱包の資材はどこまでこだわるべきですか。
中身が守られること、送料の区分に収まることの二つが先です。見た目を整えるのはその次で構いません。種類を増やすほど置き場所と管理の手間が増えるので、数種類に絞るところから始めます。
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注文が少ないうちから、送り状の自動発行は必要ですか。
手で書いても回るなら急ぎません。ただし、打ち間違いによる返送が一度でもあると、往復の送料と対応の時間がかかります。初期設定は一度で済むので、余裕のあるうちに整えておくと楽です。
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実店舗の在庫とネットの在庫は分けるべきですか。
商品の点数が少なく、動きが速いなら共通にしたほうが無駄が出ません。ただし、レジとネットショップの在庫がその場で同期する仕組みが要ります。同期できない組み合わせなら、分けて持つほうが安全です。
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返品の送料は誰が負担するのが普通ですか。
不良品のときは店が持ち、買った人の都合で返す場合は買った人が持つ、という分け方が一般的です。ただし決まりがあるわけではないので、自分の店の扱いを買い物ガイドに書いておくことが大事です。表示の要否に迷う場合は所管の窓口にご確認ください。

