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予約表を開くと、いつも同じところが白いままになっている。急に空いた枠と、毎週決まって空く時間帯。同じ「空き」に見えて、手の打ち方はまったく違います。
この記事では、空いてしまった枠をどう埋めるかと、そもそも埋まりやすい枠をどう作るかを扱います。キャンセルそのものを減らす手順は当日キャンセルを減らすにまとめました。ここでは、空いたあとの話に絞ります。
空き枠には「埋められる空き」と「埋まらない空き」がある
空きをまとめて「予約が入っていない時間」として見ていると、打つ手が決まりません。まず、性質で分けます。
直前に空いた枠と、はじめから空いている枠
直前に空いた枠は、来る予定だった方がいた枠です。埋めるとは、その時間に動ける相手を探す作業になります。急いで、狭い範囲に知らせる話です。
もう一方は、はじめから予約が入らない時間帯です。こちらは相手を探しても見つからず、枠のほうを作り直す作業になります。直前の空きに効くのは連絡、はじめからの空きに効くのは設計です。取り違えると、いくら連絡しても埋まらない状態が続きます。
埋めないほうがよい空きもある
白い時間をすべて埋めようとすると、別のところが壊れます。片付け、記録の記入、仕込み、食事。これらは予約が入っていないだけで、空きではありません。
この時間は、先に予約表の上で押さえてしまうことをおすすめします。押さえていない時間は、予約が立て込んだ日に真っ先に削られます。
どちらの空きなのかを決めてから動く
予約表を見て、白い枠それぞれに印を付けます。直前に空いたもの、もともと入らないもの、押さえておきたいもの。この区別ができていれば、あとの手は自然に決まります。
予約まわりの記事は予約・ネット受付のカテゴリーにまとめています。
埋まらない時間帯を先に見つける
感覚では「平日の昼が弱い」で止まります。手を打つには、もう少し細かく見ます。
曜日と時間帯に分けて数える
予約表を、曜日と時間帯のます目に分けます。そこへ、決めた期間ぶんの予約が入った回数を書き込むだけです。
- 曜日ごとに、時間帯を朝・昼・夕方・夜のように区切る
- 数える期間を決める(毎回、同じ長さで比べる)
- ます目ごとに、予約が入った回数を書き込む
- 連休や天候など、特別な事情があった日には印を付けて分けておく
並べると、弱います目がはっきりします。多くの場合、思っていた場所と少しずれ、「昼が弱い」ではなく「特定の曜日の夕方だけが弱い」という形で出てきます。
予約が入る前の行動を見る
予約表に残るのは、予約が入ったものだけです。入らなかったものは、別のところに残っています。
- 予約ページを開いたのに、予約せずに閉じられた時間帯
- 問い合わせをいただいたのに、希望の時間に空きがなかった件
- キャンセル待ちの希望が出た時間帯
- いっぱいでお断りした件
お断りした予約は、いちばん惜しい記録です。断った日時と希望されたメニューを残しておくと、枠の作り直しに直接つながります。記録の置き場所は顧客管理の選び方で扱っています。
数える前に、何を空きと呼ぶかを決める
数え方をそろえないと、月ごとに比べられません。休憩を空きに数えるのか、貸切の日をどう扱うのか。決めたら書き留めます。
ここだけは見る
数え方は、細かい正確さより「そろっていること」が大事です。途中で変えると、増えたのか減ったのかが分からなくなります。決めた数え方を紙に書いて、予約表と一緒に置いておいてください。
直前の空きを知らせる
急に空いた枠は、知らせなければ誰にも見えません。ただし送る相手と書き方を間違えると、連絡そのものを嫌がられます。
誰に知らせるか
全員へ一斉に送るのは、いちばん効かない方法です。届いた側から見ると、自分に向けた連絡ではないからです。声をかける相手は絞ります。
- その日時でキャンセル待ちを出している方
- 前回の来店から、いつもの間隔を過ぎている方
- 「その時間なら行けます」と話していた方
- 直前の予定でも動きやすい、近くにお住まいの方
キャンセル待ちを受ける仕組みがあるなら、そこが最優先です。もともと、その時間に来たいと言ってくださった方だからです。
どの経路で伝えるか
経路は、その方といま連絡が取れている手段に合わせます。押しつけの度合いも、経路によって変わります。
- 公式LINE:普段見ている画面に届く。一斉の配信と、個別の連絡を分けて使う
- メール:費用がかかりにくいが、急ぎの連絡には向かない
- SNSの投稿:特定の相手に押しつけずに出せる。見た方が反応する
- 予約ページの空き表示:何も送らず、見に来た方にだけ見える
押しつけたくないなら、投稿と予約ページの空き表示から始めます。届けにいくのではなく、見える場所に置く形です。使い分けはLINE公式アカウントの使いどころにまとめました。
予約ページ
公式LINE
空きはまず予約ページで見える状態にし、待っている方や間隔が空いている方にだけ個別に伝える形です。一斉配信を空き枠の案内で埋めずに済みます。
押しつけにならない書き方と頻度
負担に感じるかどうかは、内容より書き方で決まります。
- 「空きが出ました」とだけ書き、来ていただくことを前提にしない
- 返信がなくても構わない、と添える(断る手間をかけない)
- 同じ方に、続けて送らない
- 配信を止める方法を、いつでも見える場所に置く
頻度は、送る側の感覚より少なめが安全です。空きが出るたびに送っていると、通知そのものを切られます。切られたあとは、本当に伝えたい連絡も届かなくなります。
返事を促す書き方をしない
「行けますか」と尋ねる形にすると、行けない方に断る手間をかけます。その手間が積もると、次から通知を切られます。返事がなくても何も起きない書き方にしてください。
次の予約をその場で取ってもらう
空きを埋めるいちばん確実な方法は、空く前に埋めておくことです。すでに来てくださっている方が、次を決めないまま帰る。ここが最大の取りこぼしです。
会計のときの一言
順番があります。先に次に来ていただく時期の目安を伝え、そのあとで予約の話をします。いきなり「次のご予約は」と聞くと、売り込みに聞こえます。
目安は、その方の状態から説明します。「この状態だと、そろそろ気になり始める頃です」という形です。理由のある提案は、押し売りになりません。
次回の目安を、会計より前に伝えておく
施術や作業の途中で次の目安に触れておくと、会計のときの話が短くなります。会計は他のお客さまの目もあり、落ち着いて話せません。
目安は人によって違います。前回からの間隔を記録しておけば、その方に合った目安が出せます。リピート率は、この積み重ねの結果として動きます。
予約導線をどこに置くか
その場で決められない方に粘る必要はありません。代わりに、あとから予約できる場所を用意しておきます。思い出したときにすぐ開けることが条件です。
- レシートや次回のカードに、予約ページの案内を入れる
- 公式LINEのメニュー欄に、予約のボタンを置く
- 地図アプリの店舗情報やホームページから、予約ページへ行けるようにする
予約導線は、増やすより短くするほうが効きます。思い出してから予約が終わるまでに挟まる画面を、できるだけ減らしてください。
埋まりやすい枠の作り方
もともと埋まらない時間帯には、連絡ではなく枠の作り直しで手を打ちます。
メニューの所要時間をそろえる
所要時間がばらばらだと、予約表に半端な空きができます。長いメニューの前後に、どのメニューも入らない時間が残る形です。この隙間は、どれだけ知らせても埋まりません。
そろえ方は、短いほうに合わせるのではなく、区切りをそろえます。所要時間を、決めた区切りに収まるよう整理すると、隙間が減ります。メニューの整理は予約システムの選び方でも触れています。
休憩と片付けの位置を先に決める
休憩を「空いたときに取る」形にしていると、予約が入るたびに後ろへずれます。位置を先に決めて、予約表の上で押さえます。
片付けや準備も同じです。予約枠の前後に、その時間を自動で足せる設定があるなら、そちらで押さえます。手作業で空けていると、忙しい日には必ず崩れます。
指名と自由の枠配分
スタッフがいる店では、指名の予約が特定の人に集中します。指名の枠だけが埋まり、他の枠が空いたまま残る形です。全体の空きに見えて、中身は配分の問題です。
- 指名を受ける枠と、指名なしで受ける枠を分けて設定する
- 指名が集中する時間帯だけ、受け方を変える
- 指名なしの予約を、あとから担当者へ割り当て直せるようにする
- 新しく入ったスタッフの枠を、予約が入りやすい時間帯に置く
配分を変えるときは、スタッフと先に話します。指名の数は、その人の評価に直結するように見えるためです。理由を伝えないまま枠だけ動かすと、現場で戻されます。
やらないほうがよいこと
埋めること自体を目的にすると、かえって遠回りになる手があります。
値引きで埋める
空いた枠を値引きで埋めると、その場は埋まります。問題は、次から起きることです。
- 案内を待って、通常の価格での予約を避ける方が出る
- 同じ内容なのに、払う額が違う方が並ぶ
- 定価で通ってくださっている方が、それを知る場面がある
- 下げた額が、その方にとっての基準になる
利益は、下げた分がそのまま減ります。埋めた売上より、埋めるために手放した利益のほうが大きくなることもあります。長く通っていただく前提で見るLTVの考え方でも、値引きをきっかけに来た予約は続きにくい部類です。
どうしても何かを付けたいなら、価格そのものを動かさない形にします。決めた所要時間の中でできる追加や、次回に使っていただける案内などです。
値引きの見せ方には決まりがある
通常の価格を並べて割安に見せる表示には、書き方の決まりがあります。実際には販売していない価格を比較の対象にすると問題になります。判断に迷うときは、消費者庁の窓口や、お住まいの地域の消費生活センターにご確認ください。
常連への連絡が多すぎる
空きが出るたびに、いつも来てくださる方へ連絡する。短い目で見れば効きますが、その方の来店の間隔を早めているだけの場合があります。
前倒しになった分、次の来店は遠のきます。年間を通して見ると増えていない、ということが起こります。
送る前に、その方のいつもの間隔を見ます。間隔より前なら送らない、と決めておくだけで、送りすぎは止まります。
埋めるために品質を落とす
いちばん避けたいのが、詰め込んで埋める形です。
- 片付けの時間を削って、次の予約を詰める
- 休憩を飛ばして、続けて予約を入れる
- 対応できる範囲を超えて受ける
その日は埋まります。減るのは、次の予約です。急いだ対応は口コミにも出ますし、そこで働く人も続きません。空き枠は、埋めきるのではなく、埋まりやすい形に整えることで減らします。
よくある質問(FAQ)
-
直前の空きは、どこに知らせるのがよいですか?
その方といま連絡が取れている手段に合わせます。押しつけたくない場合は、送るのではなく、予約ページの空き表示やSNSの投稿など「見える場所に置く」形から始めてください。
-
キャンセル待ちは、受けたほうがよいですか?
受けられる仕組みがあるなら、受けておくと直前の空きに使えます。ただし、連絡しても返事が来ないことはあります。返事を待つ期限と、次の方へ回す手順を先に決めておいてください。
-
空いた枠を値引きで埋めるのは、なぜよくないのですか?
下げた分の利益がそのまま減ることに加え、案内を待って通常の価格での予約を避ける方が出るためです。同じ内容で払う額が違う方が並ぶ状態も、あとから効いてきます。付けるなら価格を動かさない形を選んでください。
-
次の予約を勧めると、押し売りに感じられませんか?
順番次第です。先に次に来ていただく時期の目安と、その理由を伝えてから予約の話をすると、提案として受け取られます。その場で決められない方には、あとから予約できる場所だけ伝えて終わります。
-
曜日と時間帯で数えるのは、手作業でもできますか?
できます。予約表を曜日と時間帯のます目に分け、予約が入った回数を書き込むだけです。予約システムを使っているなら、同じ内容を集計できる画面があるかを確認してください。

