当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
乗り換え先は決まったのに、いまのデータをどう移すかで手が止まる。よくある場面です。
移行の作業そのものは難しくありません。難しいのは順番と、事前に決めておくことです。この記事は「決める→書き出す→切り替える→確かめる→止める」の順に、そのまま手順として使える形で並べました。ツールが使われなくなる原因は導入したのに使わなくなる5つの原因にまとめています。
移行で失敗するのは、たいてい「同時に全部やる」から
つまずく形は限られています。多いのは、期日も範囲も決めないまま、全部を一度に動かそうとした場合です。
旧いツールを止める日を、先に決めない
止める日が決まっていないと、両方を使い続ける状態が長引きます。入力する場所が二つあるので、どちらにも欠けが出ます。
止める日を決めると、そこから逆算して作業が並びます。決める順番は「止める日 → 切り替える日 → 書き出す日」です。
- 止める日が無いと、旧ツールに入力が残り続ける
- 新しい側に無い情報を「旧ツールを見れば分かる」で済ませてしまう
- 解約の申し出時期を過ぎて、使っていない契約だけが続く
全件を移そうとして、途中で止まる
もう一つは範囲です。始めたときからの全データを移そうとすると、確認する量が増えて途中で止まります。
全部を移す必要はありません。日々の仕事で開く情報と、いざというときに見ればよい情報は別ものです。
- 毎日開く:連絡先、これから先の予約、進行中の取引
- ときどき開く:直近の来店・購入の履歴
- ほとんど開かない:ずっと前の履歴、終わった案件
ここだけは見る
移すのは「毎日開く情報」からです。残りは旧ツールから書き出したファイルを保管しておけば、必要になったときに読めます。全部を新しいツールへ入れ直す作業ではありません。
移行の前に決める3つのこと
手を動かす前に、次の3つを紙に書いてください。ここが決まっていれば、あとは淡々と進みます。
どこまでの期間のデータを移すか
まず期間の線を引きます。連絡先は続けてお付き合いのある方だけ、履歴は直近だけ、という分け方が現実的です。
- 連絡先(氏名・連絡手段)… 今もお付き合いのある方は移す
- 来店・購入の履歴 … 直近の分だけ移す
- 終わった取引、退会された方 … 移さず、書き出して保管する
どこまで持つかは、台帳そのものの設計にも関わります。記録する項目の決め方は顧客管理(カルテ・台帳)の選び方を参照してください。
移さないデータを、どこに保管しておくか
移さないと決めたデータは、消すのではなく手元に残します。旧ツールを解約すると、後から取り出せなくなります。
- 書き出したファイルの置き場所を、一か所に決める
- その置き場所を開ける人を決めておく
- 画像やPDFの添付は書き出しに含まれないことがあるので、別に保存する
保管したファイルにも、お客さまの情報が入っています。置き場所と権限の考え方はセキュリティ・データ管理のカテゴリーで扱っています。
会計に関わるデータは消す前に確認を
帳簿や請求の控えは、保存しておく期間が制度で決まっています。売上や請求のデータを旧ツールから消す前に、顧問の税理士や所管の窓口に確認してください。当サイトでは個別の判断には立ち入りません。
移行の作業を誰がやり、いつやるか
担当と日付を決めます。「手が空いたらやる」では、いつまでも始まりません。
- 書き出しと取り込みを担当する人(分担せず、一人に寄せたほうが早い)
- 確認する人(できれば作業した人とは別の人)
- 切り替える日と、旧ツールを止める日
切り替え日を繁忙期に置かない
移行の作業より、切り替えた直後の問い合わせに時間を取られます。月末月初の請求、給与の締め、確定申告の時期、セールや年末年始、予約の埋まる曜日は外してください。落ち着いた時期を選ぶだけで、起きたときの影響が小さくなります。
書き出しと取り込みの実際
決まったら作業に入ります。順番は、取り込み側が受け付ける形式を先に見て、それに合わせて旧ツールから書き出す、です。
CSVの文字化けと、日付の形式のずれ
書き出したファイルを開いて、最初に見るのは文字と日付です。
文字が記号の羅列になるのは、文字コードの食い違いで起きます。書き出しの画面に UTF-8 や Shift_JIS の選択肢があれば、両方で試して読めるほうを使ってください。どちらが合うかはサービスと表計算ソフトの組み合わせで変わるので、断定せず手元で確かめるのが早道です。CSVの扱いはツールごとに違います。
日付もずれます。年月日の並びや区切りが違うと、取り込んだ先で別の日になります。取り込んだあと、いちばん古い記録といちばん新しい記録の日付を必ず見てください。
移行で落ちやすいもの
移してみると、思っていたより載っていないものがあります。落ちやすいのは次のあたりです。
- 過去の履歴:直近の分しか書き出せない場合がある
- 添付ファイル:画像やPDFは別扱いで、書き出したファイルに出てこないことがある
- メモの改行:長いメモが一行につながる、途中で切れる
- 文字コード:記号や旧い字体が、別の文字に置き換わる
- 重複した顧客:同じ方が連絡先違いで二重に登録されている
- 退会・来店が途絶えた方:今のお客さまと同じ扱いで移ってしまう
- 金額の端数:税や割引の丸め方が変わり、合計が合わなくなる
どれも取り込んだ後では気づきにくいものです。書き出したファイルの段階で、目で見て確認してください。重複した顧客は、この時点でまとめておくと後が楽です。
取り込み前に、少しだけ試す
いきなり全部を入れないでください。まず少数だけ取り込み、画面での見え方を確かめます。
- 名前や連絡先が、想定した欄に入っているか
- メモが途中で切れていないか、改行が崩れていないか
- 同じ方が二重に登録されていないか
- 金額の合計が、書き出したファイルと合っているか
ここで崩れていれば、書き出し直せば済みます。全部を入れた後だと、消して入れ直す作業になります。
並行運用の期間をつくる
切り替えた日に旧ツールを閉じるのではなく、両方を見られる期間を重ねます。ここが移行の安全装置です。
旧いツールを見られる状態を、期間を決めて残す
期間は必ず決めてください。「しばらく」にすると、二重管理がそのまま習慣になります。目安は、ひと通りの業務が一巡するまでです。
- 予約なら、受けてから来店までが一巡するまで
- 請求なら、請求から入金までが一巡するまで
- 月ごとの締めがあるなら、締めを一度通すまで
この期間の入力は、新しいツールだけにします。旧ツールは「見るだけ」と決め、書き込まない。ここを曖昧にすると、どちらが正しいか分からなくなります。
スタッフがいる場合は、この期間が慣れる時間にもなります。使ってもらうまでの進め方は定着・運用のカテゴリーにまとめています。
件数と金額を突き合わせて、合っているか確認する
並行運用のあいだに、数を合わせます。見るのは件数と金額です。感覚ではなく、画面に出る数字で比べてください。
- 顧客の件数が、旧ツール・書き出したファイル・新ツールで一致するか
- 期間を区切った売上の合計が、旧ツールの集計と合うか
- まだ処理していない予約や注文が、そのまま残っているか
合わないときは、どこで減ったかをたどります。書き出した時点で欠けていたのか、取り込みで落ちたのかで、直す場所が変わります。
在庫や受注のように、複数のツールがつながっている場合は、つながり先も一緒に確認します。連携の見方は小売・ネットショップのツール構成で扱っています。
旧いツールを止める日の作業
止める日にやることは決まっています。抜けると、後から取り返せません。
最後にもう一度、全データを書き出して保管する
並行運用のあいだにも、旧ツールには情報が増えています。止める直前に、もう一度すべて書き出してください。
- 顧客、履歴、売上、予約、請求の控えを、それぞれ書き出す
- 添付ファイルや画像が書き出しに含まれるかを確認し、含まれなければ別に保存する
- 書き出したら開いてみて、中身が読める状態かを確認してから保管する
解約すると管理画面に入れなくなります。「必要になったら取りに行く」はできない、と考えてください。
予約の受け口・リンク・案内文を差し替える
データを移して終わりではありません。お客さまから見える入口が旧ツールを向いたままだと、予約や注文がそちらに届きます。
- ホームページの予約ボタンと、問い合わせのリンク
- 公式LINEのメニュー、SNSのプロフィール欄
- 地図アプリの店舗情報に載せている予約リンク
- 名刺、チラシ、店内の掲示、自動返信メールの案内文
止めた後にリンクが残っていると、開けないページへ案内することになります。差し替える場所の一覧を作り、消し込みながら進めてください。
解約の手続きは、止める日と別に確認する
使うのをやめた日と、契約が終わる日は別です。申し出の時期や、先に払った分の扱いはサービスごとに違います。
止める日を決めた時点で、解約の申し出がいつまでかを見てください。確認する項目は契約・解約のカテゴリーにまとめています。データの持ち出しができる期間が、解約と同時に終わる場合もあります。
移行のあと、落ち着くまでに見ること
切り替えた直後は動いていても、少し経ってから足りないものに気づきます。
抜けた情報が無いか、現場に聞く
数が合っていても、現場が困っていることはあります。聞く相手は、毎日入力している人です。
- 前は見られたのに、今は見つからない情報はないか
- 入力の手数が増えていないか
- お客さまに聞き直していることはないか
出てきたものは、書き出したファイルから足せる場合があります。早いうちに聞けば、旧ツールのデータがまだ手元にあります。
元に戻す判断ができる期限を決めておく
戻すかもしれない、という前提を残しておきます。判断の期限を決めておくと、迷ったまま両方を抱え続けずに済みます。
- いつまでに判断するかを、切り替える前に決める
- 戻すと決めたとき、何を旧ツールへ入れ直すかを書いておく
- 期限を過ぎたら、旧ツールの契約を整理する
ここだけは見る
移行で決めるのは4つだけです。移す範囲、担当する人、切り替える日、旧ツールを止める日。この4つを紙に書いてから手を動かすと、途中で止まりません。
移行は、決めることさえ決まれば単純な作業です。全部を移そうとせず、少数で試し、両方を見られる期間を置く。それだけで、失うものはほとんど無くなります。乗り換え先そのものを迷っている場合は、仕事ツール診断から整理してみてください。
よくある質問(FAQ)
-
移行の代行を頼んだほうがよいですか?
データの量が多い、複数のツールがつながっている、書き出しの形式が合わない、のどれかに当てはまるなら検討する価値があります。頼む場合も、移す範囲と止める日はこちらで決めてから相談してください。
-
古いデータは消してしまってよいですか?
消す前に書き出して保管してください。帳簿や請求の控えは、保存しておく期間が制度で決まっています。会計に関わるものは税理士や所管の窓口に確認してください。
-
新しいツールに取り込みの機能が無い場合はどうしますか?
手入力になります。その場合こそ移す範囲を絞ってください。連絡先だけ移し、過去の履歴は書き出したファイルを見る形でも仕事は回ります。
-
並行運用のあいだ、どちらに入力すればよいですか?
新しいツールだけです。旧ツールは見るだけと決めてください。両方に入力すると、どちらが正しいか分からなくなり、突き合わせもできなくなります。
-
文字化けが直りません。
書き出しの画面に文字コードの選択肢があれば、変えて書き出し直してください。表計算ソフト側の開き方でも変わります。少数のデータで読める組み合わせを見つけてから、全体を書き出すのが確実です。
-
スタッフへの周知はいつすればよいですか?
切り替える日が決まった時点です。当日に伝えると、旧ツールへの入力が残ります。止める日と、その日から何が変わるかを先に共有してください。

