レジを入れ替えるときの進め方|店を止めずに切り替える段取り

レジを入れ替えるときの進め方|店を止めずに切り替える段取り

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レジを新しくすると決めたあと、いちばん気になるのは当日のことだと思います。会計が止まれば、その時間だけお客さまを待たせます。

この記事は、切り替える日を決めてから古い機械を手放すまでの段取りだけを扱います。どのレジを選ぶかはキャッシュレス決済とレジの選び方、ツール全般の移行の考え方はツール乗り換えのデータ移行にまとめています。

目次

レジの入れ替えは、機械の交換ではなく「締めのやり方」の変更

レジの入れ替えを、機械を置き換える作業だと考えると準備が足りなくなります。実際に変わるのは、会計そのものより、その後ろにある手順です。

変わるのは会計より、そのあとの集計と記録

会計の操作は、どのレジでもボタンを押す流れです。戸惑うのは、その日の売上をどう締め、どこに記録が残るかが変わる点です。

  • 一日の売上をどの画面で締め、何を印刷するか
  • 現金と、現金以外の売上がどう分かれて出るか
  • 売上の記録が、店の中と外のどちらに残るか
  • 会計ソフトへ渡すとき、どの形で取り出せるか

この4項目を先に見ておくと、当日に慌てません。POSレジのように売上を集計する仕組みでも、集計の分け方が旧レジと同じとは限らないためです。

止まって困るのは、会計より「あと工程」

会計が止まる場面より困るのは、締めが出せない、売上が集計できない、という後ろの工程です。

当日に会計だけ通せても、その日の数字が出せなければ翌日以降に持ち越します。締めまで通して、はじめて切り替えが終わったといえます。

「今と同じにするもの」を先に決める

新しいレジには、いまと違うやり方がいくつも用意されています。全部を新しくすると、覚えることが増えて現場が止まります。

  • 商品やメニューの並び順は、今の画面に近づける
  • 割引やサービス券の扱いは、今の運用をそのまま移す
  • レシートに載せる項目は、今の紙と見比べて決める

変えるのは、切り替えが落ち着いてからで十分です。まずは今までと同じように使えることを目標にします。

ここだけは見る

入れ替えの成否は、当日の会計ではなく締めで決まります。新しいレジで一日の締めを出し、旧レジの数字と突き合わせるところまでを切り替えの範囲に入れてください。

切り替える日を決める

日程は、業者の空いている日ではなく店の都合で決めます。ここを先に押さえると、準備の順番が自然に決まります。

繁忙期と、混む曜日を外す

まず外すのは、売上の山になる時期です。ここでつまずくと、影響がそのまま売上に出ます。

  • 季節の繁忙期、セールやイベントの期間
  • 給料日のあとなど、月の中で客数が増える時期
  • 曜日ごとの波の中で、いちばん混む日
  • 年末年始や大型連休など、問い合わせ窓口が動きにくい時期

最後の項目は見落としがちです。分からないことが出たとき、聞ける相手がいるかどうかで、その日の長さが変わります。

締めの区切りに合わせる

もうひとつの軸は締めです。月の途中で切り替えると、ひと月の売上が旧レジと新レジに分かれます。

分かれること自体は問題ありませんが、集計のたびに二つの数字を足すことになります。締めた直後に切り替えれば、その手間が出ません。

  • 月ごとの締めがあるなら、締めた翌営業日に切り替える
  • 給与や請求の締めと重ならないようにする
  • 棚卸しをしているなら、その前後どちらに置くかを決める

帳簿の付け方や、月をまたいだときの記録の扱いに迷ったら、顧問の税理士にご確認ください。

定休日の前と後、どちらに置くか

定休日をどう使うかで、考え方が二つに分かれます。どちらが向くかは、店の人数と営業日の忙しさで決まります。

  • 休みの前に切り替える:休みのあいだに触って慣れられる。ただし不具合が出ると休み明けまで残る
  • 休みの後に切り替える:休みのあいだに設置と設定ができる。切り替えの当日は営業日になる

スタッフが複数いる店では、全員がそろう日を選ぶ形もあります。人が少ない曜日に当てると、あとから教え直す回数が増えます。

事前に用意するもの

当日にまとめてやろうとすると、必ず時間が足りません。前日までに終わらせておくものを並べます。

商品・メニューの登録は、よく出るものから

商品の登録は、いちばん手間のかかる作業です。全部を入れ終えてから始めようとすると、切り替えがずるずる遅れます。

  • 売れている商品・メニューから登録する
  • 分類の分け方を、あとで集計したい単位に合わせる
  • 期間限定のものは、終わったあとの消し方も決めておく
  • 単価が変わりやすいものは、変更する画面を確認しておく

旧レジから商品の一覧を書き出せるなら、それを使うと入力が減ります。CSVで取り出せるか、新しいレジが受け付ける形かを先に見てください。文字化けや項目のずれは、少数で試してから全部を入れると防げます。

税率の設定と、レシートの表記

税率は、当日にいちばん間違いが出やすいところです。商品ごとに税率の区分を持たせる形が一般的で、登録のときに一つずつ指定します。

  • 商品ごとに、どの税率の区分にするかを決めておく
  • 持ち帰りと店内で扱いが分かれる商品は、レジでの選び方を決める
  • レシートに、税率ごとの区分と金額が出るかを確認する
  • 店名や登録番号など、レシートに載せる情報を入れておく

どの区分に当てはまるか、レシートにどう表示するかは、業種や取り扱いによって判断が分かれます。税理士や所轄の窓口にご確認ください。

支払い方法の種類と、周辺の機器

支払いの種類も事前に設定します。現金だけの店でも、あとから増やす前提で並びを決めます。

  • 受け付ける支払い方法を、旧レジと同じ名前でそろえる
  • 商品券・サービス券・回数券の扱いを決める
  • レシートプリンタ、キャッシュドロア、スキャナが動くか試す
  • 通信が止まったときに、会計を続けられるかを確認する

最後の項目は必ず見てください。通信が前提の仕組みでは、回線が切れると会計ができない場合があります。止まったときにどう受けるかを紙に書き、レジのそばに置きます。

設定は前日までに、実際の商品で試す

設定を終えたら、店を閉めたあとに実際の商品でひととおり会計してみてください。金額が合うか、レシートの表記が想定どおりか、取り消しができるかまで見ます。試した会計は必ず取り消し、売上として残さないようにします。

当日の段取り

当日は、決めた順にこなすだけの状態にしておきます。その場で考える項目を残さないのがコツです。

開店前にやること

開店前の時間は短いので、設定作業は残しません。やるのは確認だけ、と決めておきます。

  • 旧レジで前日までの締めを出し、印刷して保管する
  • 新レジに釣り銭を入れ、開始の金額を登録する
  • 新レジで一件だけ会計を通し、取り消しまで確認する
  • その日の担当と、困ったときに聞く相手を全員に伝える

この確認を飛ばすと、最初のお客さまが試し打ちの相手になります。

旧レジを片付けず、両方を並べて動かす

当日は、旧レジをその場に残します。片付けるのは、締めまで通ってからです。

新レジで手が止まっても、旧レジで会計できれば列は進みます。

  • 新レジを主に使い、詰まったときだけ旧レジに切り替える
  • 旧レジで受けた会計は、その場で紙に控える

両方を置いておく期間は、あらかじめ区切ります。「しばらく」にすると二台のまま慣れてしまい、記録が分かれ続けます。締めを一度通したら片付ける、というように決めてください。

現金は、旧レジで締めてから新レジに移す

現金の扱いは、はっきり分けます。混ざると、その日の数字が合わなくなります。

  • 切り替えの前に、旧レジの現金をいったん全部数える
  • 数えた金額を記録し、旧レジの締めの数字と合わせる
  • 新レジには、あらためて釣り銭を入れて開始の金額とする
  • その日の終わりに、新レジだけで締めて数え合わせる

旧レジで受けた会計がある日は、その分を別に控えておきます。締めの数字と手元の現金が合わない原因は、たいていこの控え漏れです。

スタッフへの教え方

教える時間は限られています。全部を伝えようとすると、いちばん使う操作の説明が薄くなります。

触る回数が多い操作から教える

順番は、使う回数の多い順です。何度も触る操作から入り、それ以外は必要になったときに調べる形にします。

  • 会計する(商品を選ぶ、支払い方法を選ぶ、レシートを出す)
  • 直前の会計を取り消す
  • 割引やサービス券を使う
  • その日の締めを出す

この順で、一度ずつ実際に触ってもらいます。見ているだけでは手が動きません。新しいやり方に慣れてもらう進め方は新しいツールを定着させる手順にまとめています。

間違えたときの直し方を、先に見せる

教える中でいちばん大事なのが、間違いの直し方です。ここが分からないと、お客さまの前で手が止まります。

  • 金額を打ち間違えたとき、どこまで戻せるか
  • 会計を終えたあとに取り消す場合、どの画面を開くか
  • 現金以外で受けた会計を取り消すと、何が変わるか
  • その場で直せないとき、何を控えて誰に渡すか

直せない場面があること自体は問題ありません。そのとき何を書き残せばよいかが決まっていれば、あとから直せます。

誰に聞くかを、貼り出しておく

当日と、そのあとしばらくは質問が出ます。聞く先が決まっていないと、その場しのぎの操作が生まれます。

  • 店の中で最初に聞く人(当番を決めておく)
  • 提供元の問い合わせ先と、受け付けている時間帯
  • 問い合わせるときに伝える情報(店の識別、機器、起きたこと)

これは紙に書いて、レジの近くに貼ります。画面の中にあるマニュアルは、忙しいときに開けません。

切り替えたあとに確認すること

動いているように見えても、数字を確かめるまでは終わりません。締めを通してから見る項目を並べます。

売上の数字が、前のレジと合うか

最初に見るのは売上です。同じ日、同じ区切りで、旧レジと新レジの数字を並べます。

  • 現金と、現金以外の売上がそれぞれ分かれて出ているか
  • 取り消した会計が、売上から引かれているか
  • 割引やサービス券の分が、想定どおりに引かれているか
  • 商品ごとの集計が、旧レジと同じ分け方になっているか

合わないときは、まず旧レジで受けた分の控えを確認します。次に、税率の区分と割引の設定を見ます。この二つで大半は説明がつきます。

入金と手数料の記録を確認する

現金以外の支払いを受けている場合は、口座に入るまでの流れも見ます。レジを替えると、記録の残り方や取り出し方が変わることがあります。

  • 切り替えの前後で、入金サイクルが変わっていないか
  • 手数料が引かれる前と後の、どちらの金額が記録に出るか
  • 切り替えをまたいだ返金が、どちらの記録に載るか

帳簿へ移すときの扱いは、前と同じとは限りません。仕訳の付け方は税理士にご確認ください。

古い機械は、データを消してから手放す

最後は旧レジです。使わなくなった機械には、お客さまの情報が残っていることがあります。名前や連絡先を登録して使っていた場合はとくに注意してください。

  • 売上や顧客の記録を書き出し、手元に保管する
  • 保管したファイルの置き場所と、開ける人を決める
  • 機器を初期化し、個人情報が残らない状態にする
  • 借りていた機器は、返却の条件と送料の負担を確認する

書き出したファイルにも、同じ情報が入っています。置き場所を決めずに個人の端末へ残さないでください。保管の考え方はバックアップの項目も参考になります。

ここだけは見る

切り替えで決めるのは4つです。切り替える日、前日までに終える設定、旧レジをいつ片付けるか、締めをどう突き合わせるか。この4つを紙に書いてから当日を迎えると、店を止めずに済みます。

レジの入れ替えは、機械の設置よりも段取りの仕事です。日を選び、前日までに設定を終え、当日は両方を並べ、締めで数字を合わせる。この流れなら、店を止めずに切り替えられます。

よくある質問(FAQ)

  • 切り替えの日は、いつがよいですか?

    繁忙期と混む曜日を外し、月の締めの直後に置くのが基本です。休みの前後どちらにするかは、休みのあいだに慣れたいか、設置と設定に時間を取りたいかで決めてください。

  • 当日、古いレジはすぐ片付けてよいですか?

    締めを一度通すまでは残してください。新しいレジで手が止まったときに、会計を続けられます。片付ける区切りを決めておかないと、二台のまま慣れてしまいます。

  • 商品の登録は、全部終わらせてから切り替えるべきですか?

    よく出る商品から登録すれば始められます。全部そろうのを待つと切り替えが遅れます。残りは営業しながら足していけます。

  • 税率の設定は、どう決めればよいですか?

    商品ごとに区分を指定する形が一般的です。ただし、どの区分に当てはまるか、レシートにどう表示するかは判断が分かれます。税理士や所轄の窓口にご確認ください。

  • 売上が前のレジと合いません。

    まず、旧レジで受けた会計の控えを確認してください。次に税率の区分と割引の設定を見ます。取り消した会計が売上から引かれているかも、合わせて確認します。

  • 古いレジは、そのまま処分してよいですか?

    お客さまの情報が残っている場合があります。必要な記録を書き出して保管し、機器を初期化してから処分してください。借りていた機器は、返却の条件を先に確認します。

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